日本人大学生の英語学習における目標志向性と学習観および学習方略の関係のモデル化とその検討
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概要
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これまで, 英語学習動機と学習方略の関係を調べる研究は行われてきたが, その中間要因として学習観を考慮した研究は少ないように思われる。本研究では, 学習観が英語学習の際の方略選択に影響を与える要因として捉え, 目標志向性とともに学習方略選択を予測するモデル化を試みた。316人の日本人大学生の英語学習(必修単位科目としての英語学習)を調査対象者とし, 目標志向性と学習観, 言語学習方略の3種類の質問紙を実施し, 共分散構造分析によって提案したモデルを検討した。結果, 遂行目標への高い志向性は伝統的英語学習観を経て, 推測方略の選択に負の影響を与え, 学習目標への高い志向性は自己能力に対する学習観を経てメタ認知方略や発音方略, 体制化方略の選択に正の影響を与えることがわかった。さらに, 学習目標への高い志向性は, 推測方略の選択に直接的に正の影響を及ぼすことがわかった。以上の結果から, 学習観が学習方略の選択に影響を及ぼすことが確認され, 学習観を考慮した英語学習指導の必要性が示唆された。
- 2005-09-30
著者
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