青年期の友人関係における「自己表明」と「他者の表明を望む気持ち」の心理的要因
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概要
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本研究では中学,高校生の友人関係における「自己表明」および「他者の表明を望む気持ち」の2側面に関わる心理的要因を発達的な観点から検討した。中学,高校生721名を対象に質問紙調査を実施し,因子分析により,2側面に関わる心理的要因として「安心感」「配慮・熟慮」「率直さへの価値感」「スキル不安」「支配欲求」の5つが抽出された。これらの心理的要因が「自己表明」および「他者の表明を望む気持ち」に及ぼす影響を分析した結果,(1)中学,高校生の男女共にほぼすべての「自己表明」および「他者の表明を望む気持ち」に「率直さへの価値感」が深く関わる。(2)全体を通して「意見の表明」および「不満・要求の表明」の低さの背景に「スキル不安」がある。(3)高校生では,ほぼすべての「自己表明」に「安心感」の影響があり,高校生の女子では「他者の表明を望む気持ち」にも関連している。(4)「不満・要求の表明」の背景に女子では「配慮・熟慮」,男子では「支配欲求」があることが示された。これらの結果から,自己肯定感,自己信頼感が2側面を共に支える重要な要因であること,2側面のあり方を支える心理面の発達的な違いが明らかになった。
- 2004-03-31
著者
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