P.G.Rによる性格の基礎要因に関する研究
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概要
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本研究は性格がいかに身体成熟度と関連するかを,糖神的刺激下に現われるPGRの表示を,分析処理することによって研究したものである。被験者は化骨核プラニメトリー法により,既にその身体成熟度の決定されている9才10才児男女108名である。PGRは四類型41問の質問形式の勅激に対応する反応曲線を,操作上定めた一定基準に基づいて,反応率,反射回数,反射時、一過的変化量の四方面に分析処理し,被験者の成熟度段階別に整理した。反応率,反射回数は成熟度の高い者が高く,それは欲求,欲求阻止の刺激類型において顕著であり,恐怖及び不安の刺激類型においてはその差は有意ではない。反射時は成熟度の高い児童において比較的短く,それは恐怖・不安の比較的単純な刺激において顕著であり,欲求阻止の刺激においては有意な差は見られない。一過的反射においても成熟度高群にそれがやや著しいように認められるが,その差には有意性が認められない。以上の結果によりPGRの精神身体的反応から見た性格には,生理的機能の成熟の如き要因を通して,身体成熟度の影響が及んでいるものと認められる。なお性格の一表現と見られるこの精神身体的反応は,単に身体的成熟度その他の内的要因のみに影響されるものではなく,かかる内的要因と刺激特質の如き外的要因との総合的影響下にあることが確認される。
- 日本教育心理学会の論文
- 1958-01-15
著者
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