児童における拡散的思考と知能の関係
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概要
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本研究の目的は,児童における拡散的思考と知能との関係を検討することにある。被験者は小学校2学年,4学年,6学年児童473名であった。彼らに拡散的思考テスト(DTT)と知能テスト(IT)が行なわれた。DTTは,円のスケッチ(SC),図形解釈(PM),用途(AU),制限連想(RA)という下位テストを含んでいた。DTTの得点は流暢性によった。ITは7つの下位テストを含んでおり,それらから、思考(T),記憶(M),言語(V),非言語(P)の得点が、計算された。セントロイド法による因子分析と直交回転が,先に述べた8変数(SC,PM,AU,RA,T,M,V,P)による相関マトリソクスに行なわれたところ,3因子が得られた。第I因子は「知能」因子,第II因子は「言語-非言語」因子,第III因子は「拡散的、思考」因子と解釈された。これらの結果は次のことを示している。つまり因子分析によると,第I・第III因子に関する限り,3学年間には構造的な差異はなく,「拡散的思考」因子は「知能」因子と独立である。しかし,第II因子につきさらに検討を加えたところ,2,4学年では拡散的思考因子とともにあるのは知能T,V因子であったが,6年になるとM,P因子であった。
- 日本教育心理学会の論文
- 1971-06-30
著者
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