技能偏向型技術進歩と一般的技能投資,および経済成長
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概要
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本研究は、技能偏向型技術進歩が生じる場合の労働者の教育投資のあり方、および教育投資により誘発される技術進歩が経済成長に与える影響の分析を目的とする。情報技術革新にみられる技能偏向型技術進歩は、生産活動を通じて習得された企業特殊的技能を陳腐化させる一方で、新技術に適応する技能への需要を高めるため、労働者は適応性の高い技能への教育投資をおこなうと予想される。このような情勢を労働者が技術進歩に対して抱く期待とそれによる教育投資、および教育投資の蓄積がもつ外部効果を考慮したモデルとして定式化し、期待と外部効果の戦略的補完関係から、技術進歩に対する高い期待のもとでは高成長を実現し、低い期待のもとでは経済成長の罠に陥ることを示した。This paper studies a relationship between general skill investment and economic growth under skill-biased technological progress. We build a simple growth model with workers who acquired two types of production skills that are called general skills and firm-specific skills, and show that investment in general skills is stimulated by a rapid technological change. As a result, multiple growth paths arise from the interaction with workers' behavior for negative productivity shock on firm-specific skills. This mechanism is a kind of strategic complementality.
- 同志社大学の論文
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