情報ネットワーク型製品の普及特性および普及策 : 個人の心的近接要因を導入したネットワーク外部性モデルを用いて
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概要
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情報関連の製品の市場は独占状態になることが多いが,それは情報関連の製品にネットワーク外部性が存在することが原因である。しかしネットワーク外部性が個人の近隣および社会全体からの影響の合成である場合,複数製品が共存する可能性がある。本稿では近隣からの影響を導入したマルチエージェント型のネットワーク外部性モデルを提案し,シミュレーションを行う。その結果,近隣からのネットワーク外部性が大きい場合,偏在した製品利用者グループが形成され,複数製品が共存することが明らかになる。また初期普及策に関して,利用者の集積効果が大きい状況においては,限定された範囲に集中的に普及策をとる方が,社会全体に講ずるよりも効果的であることが示される。
- 日本社会情報学会の論文
- 2003-03-31