ヨトウおよびハスモンヨトウに対するトレハラーゼ阻害剤バリドキシルアミン A の殺虫作用
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概要
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トレハラーゼ阻害剤バリドキシルアミンAをヨトウおよびハスモンヨトウの終齢幼虫に注射すると, 直ちに, 体節筋の弛緩が起き, 終齢後期になると, 脱肛, 蛹化不能, 不完全蛹化などの異常で死亡した.バリドキシルアミンAのLD_<50>はそれぞれの種に対し, 1μg/larva以下と2.42μg/larvaであり, ヨトウ幼虫のほうが感受性が高かった.局所施用によるバリドキシルアミンAの作用は注射に比べて弱く, 50μg/larvaの薬量でも50%致死には達しなかった.また, 経口投与によっては, 50μg/larvaで全く作用が現れなかった.体節筋の弛緩はトレハラーゼ阻害によって起きるエネルギー源の補給停止に起因すると考えられるが, 終齢後期に現れる異常がトレハラーゼ阻害とどう結びつくかは明らかではない.
- 日本農薬学会の論文
著者
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竹田 敏
蚕糸・昆虫農技研
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亀田 幸彦
北陸大学薬学部
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河野 義明
Department of Medical Entomology, The National Institute of Health
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竹田 敏
Department of Insect Physiology and Behavior, National Institute of Sericultural and Entomological S
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亀田 幸彦
Hokuriku University, School of Pharmacy
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