「司書および司書補の職務内容」 : 日本の公共図書館における専門的職務と非専門的職務の分離の試み
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概要
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「司書および司書補の職務内容」(以下,「職務内容」と略す)は, 1950年9月に, 文部省が文部事務次官通牒(文社施第370号)として通達した文書で, 図書館の専門的職員としての司書と司書補の職務内容を示している。本稿の目的は,「職務内容」の成立過程, 内容, 基本的性格を明らかにすることである。そのため,「職務内容」と関連文献の計39点を収集・分析し, 更に,「職務内容」の成立事情に詳しい3人の方にインタビューを行なった。その結果, 以下のことが明らかになった。1)「職務内容」の主な目的は, (1)新しく養成する司書と司書補の職務内容を明らかにし, 養成内容(教育教科)を明確化すること, (2)図書館に勤務する現職者に対する暫定資格付与の判断基準を提示することである。2)「職務内容」は, 図書館の専門的職員である司書と司書補の職務内容を明示したものである。3)「職務内容」に示された司書補の職務は, 米国の公共図書館における非専門的職務に対応している。4)「職務内容」は, 実質的には職務区分表である。5)司書補は, 専門的職員として位置づけられているが, 専門的職務と非専門的職務を担当するように考えられている。
- 日本図書館情報学会の論文
- 1998-12-30
著者
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