『学校図書館の手引』編集における日米関係者の協働
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概要
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本研究では,1948年12月,米軍占頷下日本で出版された『学校図書館の手引』の編集における日米の関係者の協働を,両国で発見された一次資料に基づいて明らかにした。編集作業のためには,文部省に「「学校図書館(室)運営の手引」編修委員会」が設置され,それに所属した7名の日本人が執筆者を分担した。そして彼らが執筆した原稿に,米側の担当者が目をとおし意見するというかたちで,基本的な作業が進められた。また,『手引』に盛り込まれた内容の変化を検討するべく,発見された目次案を時系列に並べて分析した。すると,1947年4月17日付けの目次案がすでに出版された『手引』の目次とほぼ同内容であったことが明らかになった。この段階で,「図書委員」「読書指導」といった,戦後の日本の学校図書館で一般化した活動が新たに加えられていた。また,『手引』の目次作成においては,米人関係者から提供された,数冊の当時の米国の図書が参照された可能性が認められた。
- 日本図書館情報学会の論文
- 2004-12-24
著者
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