シュンギクの心枯れ症の発生と花芽分化の関連
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概要
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シュンギク心枯れ症の発生に, 高温時期における花芽分化が影響しているかどうかを明らかにするために, 以下の調査を行った.1. 各生育ステージの株に対して30℃の高温処理を行った結果, 生長円錐膨大期∿小花形成後期の株への処理では心枯れ症が発生したが, 栄養生長期や花弁形成期以降の株への処理では発生しなかった.2. 塩化カルシウム溶液を茎頂付近へ滴下した結果, 心枯れ症発生抑制効果が認められた上, 草丈が大きくなった.しかし, 花芽の発達を抑制させる効果は認められなかった.3. 抽だい・開花させた株を用いて, 心枯れ症の発生状況と生育調査を行った結果, 心枯れ症発生株は, 正常株と比較して, 草丈および茎長が小さく, 花らいの直径も小さかったが, 葉数は多かった.また, 心枯れ症発生株の障害葉数と葉数との間にのみ, 有意な正の相関が認められ, 葉数が多い株ほど心枯れ症を発生する割合が増加した.そして, 障害株および正常株において, 葉数と花らいの直径との間の相関分析を行った結果, ともに有意な負の相関が認められた.以上の結果から, 高温下で花芽の分化が抑制された場合に, 葉が多く分化し, それらが発達する過程で養分の競合が起こることが, 一部の葉位に心枯れ症を発生する要因の一つであると推察された.
- 園芸学会の論文
- 2001-07-15
著者
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