中国および日本ボタンの促成における発育と予備冷蔵効果の比較

概要

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中国ボタン17品種と日本ボタン3品種における促成時の形態学的発達を観察し, 日中ボタン間の予備冷蔵効果を比較検討した.芽膨張期から開花期までは8生育ステージに分けられた.葉, 茎, 花芽の生長は主にIV期からVII期で, VI期は最も長期間で, 生育量は最大であった.III, IV, V期は品種により形態学的に最も複雑であったが, 葉の生長により簡単に区別できた.予備冷蔵は, 生長を促進し開花を早めたが, ステージに対する作用は日中ボタン品種間で異なり, 異なった生長メカニズムを有することが示唆された.予備冷蔵は中国ボタン品種に対しては初期の, また日本ボタンにはそれより遅いステージに影響を及ぼした.中国ボタンは温度に対してより敏感で, 初期に早く生長したが, 最終的な切り花形質は日本ボタンに劣った.このことは開花までの積算温度が少ないことと一致した.予備冷蔵は茎長や葉の伸展を減少させたが, 花の大きさを増し, 開花日を早めた.未開花品種は正常な葉や茎の生長をし, 予備冷蔵の影響は開花品種と同様であった.以上の結果から, 芽膨張期から開花期の間では, 茎長の生長と花の生長は比較的, 独立状態にあることが示唆された.
2001-01-15