ナガイモ, イチョウイモ, ツクネイモおよびジネンジョの間の交雑種子形成
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概要
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ヤマノイモ類の交雑育種を行う上での基礎的知見を得るため, Dioscorea oppositaの3品種(ナガイモ, イチョウイモ, ツクネイモ)およびDioscorea japonica(ジネンジョ)の間の交雑を行い, さく果の着生と種子形成を調査し, 交雑種子形成能力を評価した.ジネンジョ雌雄間の交雑では交雑組み合わせにより親和性が異なり, 7つの組み合わせで親和性が高く, 多くの完熟種子が形成された.これらの種子のほとんどが胚径0.8mm以上の発達した胚を有し, は種または胚培養により実生にまで発育した.これに対し, 4つの組み合わせでは不親和性を示し, 完熟した種子の形成は認められなかった.イチョウイモおよびツクネイモとジネンジョとの交雑では, 花粉親に用いたジネンジョの系統により種子形成能力が異なった.イチョウイモ×ナガイモ, イチョウイモ×ジネンジョ, ツクネイモ×ナガイモ, ツクネイモ×ジネンジョおよびジネンジョ×ナガイモの組み合わせでは, わずかではあるが交雑種子を得ることができた.これらの種子の多くは未熟な胚を有したが, 胚培養により0.4mm程度の未熟な胚からも実生を得ることができ, ナガイモ, イチョウイモ, ツクネイモおよびジネンジョの間の交雑育種の可能性が示唆された.
- 園芸学会の論文
- 1999-05-15
著者
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淺野 裕司
愛知県立農業大学校
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淺野 裕司
愛知県農業総合試験場山間農業研究所
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今川 正弘
愛知県農業総合試験場山間農業研究所
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今川 正弘
愛知県農業総合試験場山間農業研究所:(現)愛知県農総試豊橋農業技術センター
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今川 正弘
愛知県農業総合試
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