台木がクリ黒根立枯病の発生に及ぼす影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
クリ黒根立枯病の発生防止法を確立するため, シバグリおよび栽培品種の実生台木の中から抵抗性台木を検索した.さらに自生のシバグリに居接ぎしたクリ樹における黒根立枯病の発生状況を現地調査し, 直播実生への居接ぎが黒根立枯病の発生防止に効果がないか検討した.1. 5県で採集したシバグリおよび栽培グリ9品種の実生台木に接ぎ木したクリには, いずれも黒根立枯病が発生し, 抵抗性が認められなかった.2. 自生のシバグリに栽培品種を居接ぎした樹には, 接ぎ木苗を移植した樹に比べて, 黒根立枯病の発生が明らかに少なかった.3. '筑波'の自然交雑種子を樹園地内に直播し, 2年後に'筑波'を居接ぎして養成した樹には黒根立枯病が多発した.4. 自生のシバグリに居接ぎしたクリに黒根立枯病の発生が少ないのは, 台木部と穂木部との樹齢差が大きいことから, 移植樹に比べて, 地下部の発達が良いためであると推察した.
- 1999-03-15