極早生ウンシュウの種子形成と珠心胚実生の獲得
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概要
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極早生ウンシュウは種子形成が不良で, 1種子中の胚数が多いために個々の胚は小さく, かつ珠心胚実生の勢いが弱いことが育種を困難にしている.このため, 効率的に極早生ウンシュウの品種改良を行ううえでの種子の獲得法と育成実生の早期生育促進法について検討を行った.1. 極早生ウンシュウに対して'川野なつだいだい'などの花粉を交配した結果, '宮本早生', '山川早生'と'市文早生'の有核果は極めて少なかったが, '白浜一号', '原口早生', '大浦早生', '高林早生'と'楠本早生'は比較的多い傾向にあった.2. 交配時の気温を昼間31∿32℃, 夜間15℃程度に維持することにより, 露地よりも有核果率は高まったが, 夜間を20℃程度にした場合は逆に低下した.3. 植物生育調節剤のダミノザイドやパクロブトラゾールを開花前10日に散布することにより, 極早生ウンシュウの有核果率は高まる傾向がみられた.4. 勢いの弱い極早生ウンシュウ珠心胚実生の生育促進を図るには胚芽接ぎが効果的で, 胚芽接ぎ用台木としてはシィクワシャーの活着率が高く, 接ぎ木後の揃いも良好であった.活着後さらにラフレモンを台木として寄せ接ぎを行うことによって生育は著しく促進した.
- 園芸学会の論文
- 1999-03-15
著者
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