トウモロコシの発芽種子にみられる雑種強勢の形態的および生理学的研究
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概要
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トウモロコシの雑種強勢を研究するために,発芽種子の形態的,生理的形質をF_1雑種とその両親近交系統(母親:0h545,父親:W22)との間で比較した。雑種は30℃で,両親よりも遠く根鞘,幼根を抽出し,その後の芽はえの生長も遠かった。Lかし,種子の吸水速度は両親とF_1の間に差はたいので,F_1種子の発芽の速やかさは吸水後での胚の細胞の活性化遠度が,両親よりも遠いためにおこるものと考えた。発芽,生長にとって重要なエネルギー源と考えられる胚中の非還元糖と還元糖含量は,F_1が発芽48時間目以降で両親より高くたった。タンパク質合成阻害剤のシクロヘキシミド(5×10^-5M)で種子を処理すると,どの系統も発芽は完全に阻害されるが,胚中の非還元糖含量は40時間目までは無処理区と同様に低下した。発芽濾液中への糖の漏出はみとめられたかったので,発芽初期の糖を分解する過程はシクロヘキシミドにより阻害をうげにくいものと考えた。しかし,48時間目以降では無処理区の場合,胚中の糖含量が増加するのに対し,処理区では低下する傾向にあった。
- 日本育種学会の論文
- 1980-06-01
著者
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