ソルガム完熟種子カルスからの植物体再分化の品種間差異
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概要
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ソルガム250品種の完熟種子を供試してカルス形成と植物体再分化の品種問差異を調査した.すべての品種につき,20粒の発芽種子をカルス誘導培地に置床した.カルス誘導培地の組成は2mg/l 2.4-D,30g/l sucrose,2g/lゲルライトを含むMS培地(pH6.0)で,30日間培養した.カルス継代培地の組成は2.4-D濃度を1mg/lに下げた以外はカルス誘導培地と同じで,同じく30日間継代培養し,再分化培地にカルスを移植した.再分化培地は2,4-Dを含まない他はカルス誘導培地の組成と同じで,置床後30日目に再分化状況を調査した. 本培養系では殆どの品種でカルス形成が認められた(Table1,Table2,Fig.1).植物体再分化の様相は不定根,不定芽を誘導する器官形成(organogehesis)で,明瞭な体細胞胚形成(somaticembryogenesis)は認められなかった.またカルスから不定根のみが分化する例が多く見られた(Table3,Fig.2).250品種のうちCK602,CKW5809,PE932203,PE954068,PE954110の5品種で植物体再分化(Fig.3)が比較的良好であった(Tab1e5)、また品種群ごとに見るとKafir品種群で植物体再分化が比較的良好で(Table4)あった.上記5品種及びKaf1r品種群は再分化を必要とするソルガムの実験系に有効に活用できるものと考えられた.
- 日本育種学会の論文
- 1994-06-01
著者
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