日本域の春季の対流圏オゾン高濃度のシミュレーション
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概要
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1987年5月に観測された日本域の高濃度O_3を物質輸送モデルシミュレーションにより解析した.観測データ, モデル計算, 全域解析データはすべて整合的な結果を与え, 春季の日本付近の高濃度O_3には, 成層圏起源のO_3の沈降が重要な寄与を示した.モデルの感度解析から, 地上付近のO_3に対する対流圏内の光化学反応の寄与率10〜25%が示され, 成層圏起源のO_3が支配的であった.O_3と比湿qの時空間変化には明瞭な逆相関がみられ, 成層圏から対流圏への侵入の3次元構造が示された.上空7000mで輸送フラックスw×O_3は下向きで最大10^12molecule/cm^2/secのオーダーを取った.また, トラジェクトリー解析から, 成層圏からの沈降が1〜2日の極めて短い時間スケールで生じたことが示された.
- 社団法人日本気象学会の論文
- 1998-06-30