北海道オホーツク海沿岸における海氷による気温低下の定量的把握

概要

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北海道のオホーツク海沿岸海域は, 冬季に海氷に覆われる. 海面が開水面から海氷面に変化すると海面上の熱収支が変化し, 沿岸地域の気温は低下するものと考えられる. これに関するこれまでの研究では, 地上の気温のみを対象としたものがほとんどであった. そこで, 本研究では, 高層気象データを基準にして, 北海道オホーツク海沿岸の海氷による気温低下量を定量的に把握することを試みた. その結果, 1988年冬期に関しては, 次の知見が得られた. 1)海氷による冷却効果は, オホーツク海沿岸地域中央部で大きく, この効果によって, この付近の気温低下量 (負値は海氷による気温低下を示す) は, -2℃を上回った. 2)海氷を到来させた北寄りの寒気による気温低下量は約-2.5℃で, 場所による差異はほとんど認められなかった. 3)海面が海氷によって覆われることによる気温低下量は, 上記1), 2)の総和として算定され, 同沿岸地域中央部では-5℃を超えた.
社団法人日本気象学会の論文
1996-06-30