東太平洋におけるモンスーンと海水温の年変動
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概要
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東太平洋における海水温(SST)の年変動とその周辺におけるモンスーン活動との相互関係(phase locking)について調べた.南アメリカ中央部において大陸性夏(冬)のモンスーンが12(6)月に始まると,ほほ同時にペルー沖では湧昇の弱(強)まりによりSSTが上昇(下降)し始める.温(冷)水プール(年平均からの偏差)は大気-海洋フィード・バックにより誕生地を離れて西進するとともに赤道を越えて北上し5(11)月頃東部北太平洋に到達する.約1月遅れて東部北太平洋の夏(冬)のモンスーン・オンセットが起こる.この時期の海水温(年平均からのずれ)は赤道に対して近似的に対称である.太陽放射の増大(減少)とともに海水温分布は非対称性を増し,8(2)月頃東部北太平洋夏(冬)のモンスーンは最盛期に達する.要するに東部北太平洋モンスーンは海洋性であるが,その一生は太陽放射の年変動に対する海洋-大気-大陸系の反応速度の遅速に左右される.
- 1993-04-30
著者
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