ラジオゾンデデータによる気団性雷雨日の診断 : 太平洋高気圧下の夏の関東地方
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概要
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1996〜2000年7・8月の館野における09時のラジオゾンデデータを用いて,(1)太平洋高気圧下の関東地方で気団性雷雨が発生した日の大気状態を調べ,(2)代表的な指数について,気団性雷雨日か無雷雨日かを診断する能力の評価をおこない,以下のことを明らかにした.(1)気団性雷雨日は無雷雨日と比べ,気温は1000〜900hPaで約1.5℃高く,700hPaより上空で約0.5℃低く,気温減率は900〜700hPaで1.2℃/km大きく,露点温度も1000〜500hPaで高い.風向風速は気団性雷雨日と無雷雨日との有意な差異はない.(2)TSSで評価した各指数の診断能力は,SSIとSLIがともに0.72と高く,TT:0.67,KI:0.64,LI:0.60がこれに続き,CAPE:0.56が一番低い.(3)気団性雷雨日には,SSI,LI(またはSLI),KIから選択した2指数のうち,少なくとも1つが不安定を示すことが多い.また,これら3指数のいずれもが不安定を示す場合は100%気団性雷雨日となり,いずれもが安定を示す場合は100%無雷雨日となる.これらの事実を用いて気団性雷雨日か否かを診断するアルゴリズムを提案した.
- 社団法人日本気象学会の論文
- 2004-01-31
著者
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