水陸稲品種混合集団の変化におよぼす栽培環境の影響
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概要
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水陸稲品種混合集団の混合率が栽培環境や品種の組合せによりどのように変化するかを知るため,水陸稲各3品種を用いて2品種混合集団5組合せを作り,水田,普通畑,畑苗床の条件で3年間試験を行なった。1年間栽培Lた後の籾の混合率から栽培環境の影響を検討Lた。水田区では,2組合せは試験開始時とほとんど変化がなく水陸稲各50%の混合率であったが,ほかの3組合せは陸稲が増加した。陸稲の混合率は水田区より普通畑区が薯Lく高くなり,畑苗床区はさらに若干高くなった。草型の類似した品種の組合せでは混合率の増減は比較的少なかったが,繁茂型の品種と寡繁茂型の品種の組合せでは前老の混合率が著しく高くなった。栽培環境と品種組合せの問には交互作用がみられ,栽培環境が変ると各組合せ間の混合率の増減傾向も変化した。混合集団を水田で3年間くり返し栽培した結果,一般に陸稲の混合率は高まるが,1年目に急激に高くなりその後援漫になる組合せ,年々陸稲が増加する組合蛙,増加傾向が明らかでない組合せがあった。混合率変化の原因を,1株の生産粒数によって,栽培環境に対する各品種の適応性と組合せた品種間の競争力の2つの要因に分割Lた。その結果,栽培環境の影響は競争の影響よりも大きく,とくに水稲に顕著に作用することが明らかにたった。競争力については競合値を計算して比較したところ,陸稲の競争力は水稲に対して畑栽培区で著しく強く,草型,地上部繁茂最および深根の発達程度と関係があるように考えられた。混合率の変化にはこのほか発芽歩合,幼苗の生存率なども影響することが考えられた。以上の結果に基いて集団の変異を保持する方法について考察Lた。
- 日本育種学会の論文
- 1976-09-01
著者
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