イネの白葉枯病抵抗性の遺伝 : I.抵抗性交配母本の中の抵抗性遺伝子の対立関係
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概要
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イネ白葉枯病[Xanthomonas oryzae(UYEDA et ISHIYAMA)DOWSON]に対する低抗性源としての利用価値を知るために、種々の国から白葉枯病抵抗性の7品種[BJ 1、Sigadis、TKM 6(以上indica)、早稲愛国3号、PI 215936(以上japonica)、Zenith、B 589 A 4-18-1(以上indica-japonica雑種からアメリカにて育成)]を集め、それらの間の低抗性遺伝子の対立関係について分析した。これらの品種の間で、Sigadis×BJ 1、Sigadis×TKM 6、Sigadis×PI 215936、Sigadis×Zenith、Zenith×B 589 A 4-18-1、早稲愛国3号×PI 215936のF_1とF_2を作り、それに現品種を加えてIRRI保有の菌株B 15-37を止葉に多針法で人工接種して、20日後に反応をO〜9仁分級した。その結果、SigadisとTKM 6は同じ低抗性遺伝子をもち、BJ 1は上記の2品種とは異なる遺伝子をもつことを明らかにした。さらにPI 215936は早稲愛国3号ともSigadisとも異なる遺伝子をもち、ZenithとB 589 A 4-18-1は同一の低抗性遺伝子をもつ。SigadisとZenithの低抗性遺伝子の対立関係については明瞭な結果はえられなかったが、同じ遺伝子である可能性がある。従って、少なくとも三つの白葉枯病低抗性に関する異なった遺伝子源が存在するものと考えられる。
- 1973-12-31