トウモロコシにおける高収合成品種育成のための構成系統とその数の決め方に関する理論的解析
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概要
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今一組の育種材料(自然受粉品種・自殖系統)が与えられているとき、それらから合成できる全可能組合せの合成品種のなかで、最高収量が期待される合成品種を育成するための、最適構成系統とその数を決定する方法を見出すことを目的とした。一般に、n個の品種を構成系統として合成した合成品種(C^r_<128>…n)の収量の期待式は、GARDNER-EBERIIART(1966)の遺伝モデルが成立つときにはC^γ<123>…n=μ+1/n(a_1+a_2+a_3+…+a_n)+1/n(d_1+d_2+d_3+…+d_n)+2/<n^2>(h_<12>+h_<13>+…h_<n-1.n>)で表わされることを明らかにした。ここでuは全供試品種に由来する任意にとった自殖系統の平均値、a_i、b_iは品種iの遺伝子に由来する相加的および優性効果、h_<ij>は品種iとjとが交雑されたときに生ずるヘテローシス効果である。構成系統の決定の具体的手順は次のようである。1.品種・同自殖・品種間交雑・同自殖・同任意交配の各集団(育種材料が自殖系統のときは、自殖系統・単交雑F_1・同F_2)の作成と収最試験。2.分散分析によるモデルの適合性検定と遺伝統計量(u,a_i,d_i,h_<ij>)の推定。3.えられた遺伝統計量の上式へのあてはめによる全合成品種の期待収最の計算。4.最高収量が期待される合成品種の選出とその構成系統の決定。なお上式の変形により、C^γ_<123>…n=1/n^2(2Σ^^n__<j.j>__<i<j>C_<ij>+Σ^^n__<i=1>V_i)がえられた。この式から、高収合成品種の構成系統としては系統自身が高収(一般的に品種の方が自殖系統より有利)で組合せ能力が高いこと、系統数は多い必要がないことが推論された。
- 日本育種学会の論文
- 1970-04-30
著者
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