稲の半数体から生じた二倍体純系と原品種の二倍体系統との比較 : 稲の半数体植物の核学的研究:III
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概要
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1.水稲農林8号の半数体の1株に生じた結実穂から二倍体植物を得て、その系統分離を行い,第3,4代系統を農林8号の原々種と比較した。第3代,第4代および原々種の各30系統を6回反復の乱魂法で試験し,稈長,穂長,穂数,一株収量などについて調査した。2.半数体からの二倍体と原々種とは全く同様な生育を示し各形質共有意差がなかつた。またそれぞれの集団内の系統間差異も,原々種からの系統が稈長について有意であつた他は,有意性をを示さなかつた。したがつて半数体からの二倍体は原々種以上に純系であるが正常に生育すると考えられる。3.各集団の系統内個体間変異の標準偏差を比較したところ,有意差が見出されなかつた。したがつて純系になると遺伝的平衡性が低下し環境変異が増加すると言う傾向もないように思はれる。これらの点から考えると,稲は高度に純系化しても自殖弱勢のような害を生じないであろう。4.半数体からの二倍体の第2,3代にそれぞれ1/40および1/80の頻度で三倍体が見出された。
- 日本育種学会の論文
- 1959-09-30
著者
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