イネいもち病における宿主の抵抗性遺伝子頻度と病原菌の病原性遺伝子頻度との関係
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概要
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病原性遺伝子頻度の予測式をうるために,イネいもち病に関する1976年と1980年の病原性遺伝子頻度とそれより前10年間の品種の低抗性遺伝子頻度との関係について重回帰分析した。 病原性遺伝子頻度は山田らの1980年の日本における各県でのレースの分布調査から,抵抗性遺伝子 Pi-a,Pi-i,Pi-kと(Pi-ta+Pi-ta2)に対応する病原性遺伝子 Av-a+,Av-+,Av-k+,Av-ta+の頻度を計算した。この結果と前の研究で利用した1976年の病原性遺伝子頻度を用いた。 低抗性遺侯子頻度はレース頻度調査年前10年間の各県の主要栽培品種の作付面積率から計算した。 4つの病原性遺伝子頻度(F)を推定する方程式として F=0.081+0.24M_1-0.028Dy+0.71Da+2.38M_2Di+1.26M_2Dk-5.82M_22Di-4.07DyS1Dk をえた。M_1とS1はそれぞれ予測年の6年前から10年前までの間の抵抗性遺伝子頻度の平均値と勾配(増加率),M_2,S2は予測年の1年前から5年前までの抵抗性遺伝子頻度の平均値とその勾配である。またDyは年に関するダミー変数,Da,Di,DkはそれぞれPi-a,Pi-i,pi-k遺伝子頻度に関するダミー変数である。 回帰分析の中の変数として過去にえられた病原性遺伝子頻度を使用するのは寄与率で評価される予測精度を高めるのに有効である。
- 日本育種学会の論文
- 1984-09-01
著者
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