Mentha viridis L. および Mentha longifolia (L.) HUDS.に関する研究

概要

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1.M.longifoliaとM.viridisは,毛の有無によって,別種に分けられているが,この形質は不安定で,種子繁殖によって,必ずしも次代に伝わらない。また,細胞遺伝学的観点からも,別種とすべき理由がない。よって,LINNAEI(1753)の最初の見解にもとずいて,両種をM.spicata 1種にとりまとめ,もし,有毛と無毛の表現型を区別する必要のある場合には,前者をM.spicata L.var.viridis L. var.longifolia L.後者をM.spicata L.var.viridis L.と呼ぶのが妥当と考える。2.縮葉性は,ハッカ属の各種に共通の平行変異であるが,国軍した砂質ではなく,種子繁殖によってそのまま,次代に伝わらない。この表現型は,それぞれの種において,亜種または変種として命名されている。M.spicata においても,有毛種,無毛種の区別なく,1括した変種名を適用すべきであると考える。3.M.spicataには,2n=24,36,48,54の4郡あるが,2n=48の系統が圧倒的に多く,2n=36の系統は3倍体であった。2n=24および2n=48の系統の多くは,細胞学的に安定していたが,1部,PMCのMIに,多数の1価染色体の出現する系統があった。後者は,M.spicataの種内において,ゲノムに分化が起り,それら分化した系統間の交雑によって生じたものか,あるいは,染色体の接合を妨げる遺伝子が存在するためかと推定する。4.細胞学的に安定した系統においても,雄性不稔や,雌性配偶子の部分不稔が,ごく普遍的に見られた。
日本育種学会の論文
1965-09-25

著者

池田長守
岡山大学農学部

Mentha viridis L. および Mentha longifolia (L.) HUDS.に関する研究

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