合成燕麦の飼料的利用に関する研究 : I 諸特性,とくに実用形質の比較
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概要
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在来エンバク(Avena sativa,A .nuda,n=21)と野生的エンバク(A.barbata,A.abyssinica,n=14)間の五倍種間雑種をコルヒチン処理して得た十倍性エンバクの子孫から多数の新系統を育成された(西山,1951,'59,'62)。著者等はこれらを青刈飼料作物としての実用性を検討するため,選抜された18系統の生産力と諾特性を調査し,在来種7品種との比較検討を行なった。合成エンバクは一般に,草丈は前進よりやや低く葉幅・茎太は前進の60〜70%で,在来種のGriseaと前進の中間の大きさである。しかし合成No.18,No.10及びNo.27,No.28は前進より20〜40%増収した。この増収は茎数の増加によるものであり,特にNo.18,N0.10は早播しても冬季に幼穂が寒害を受けないため,有効茎数が多く,N0.28,N0.27は早播によって冬季に節間伸長が旺盛で,寒害によって枯死茎が多いが,2月以後の分けつによって多数の有効茎数が獲得された。
- 日本育種学会の論文
- 1962-12-25