ナタネの脂肪酸組成改良育種に関する研究 : III. ナタネ種子油の脂肪酸間相関
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概要
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ナタネ種子油の脂肪酸間の相関関係は脂肪酸組成についての育種の可能性を知る指標として重要であると考え,ナタネのF_2集団(F_3種子)を erucic acid含量を支配する遺伝子型に類別して,種子油の脂肪酸間の相関関係を検討し,その結果から脂肪酸組成に対する遺伝的支配と環境条件の影響とが,どのような関係になっているかに考察を加えた。0leic acid と linoleeic acid と linolenic acid 含量の合計と eicosenoic acid と erucic acid含量の合計との間には,どの遺伝子型でも非常に強い負の椙関が認められた。Oleic acid と linoleic acid との問には,遺伝子型をこみにすると正の相関,遺伝子型ごとでは負の相関が認められ,linoleic acid と linolenic acid との間には,遺伝子型をこみにしても,遺伝子型ごとに分けても正の相関が認められた。eicosenoic acid と erucic acid 含量は erucic acid 含量を支配する遺伝子E_1'E_2'によって支配され,遺伝子型+---と++--とでは eicosenoic acid と erucic acid とに,ともに累積的に働くが,遺伝子型+++-と++++とでは erucic acid には引続き累積的に働くが eicosenic acid には減少する方向に働くことが認められた。以上の結果から,脂肪酸間の相関関係がこれまでの報告で異なることの理由を説明することができた。
- 日本育種学会の論文
- 1974-12-31
著者
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