バーレー種タバコの半数体倍加系統聞の遺伝的変異
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概要
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最近の葯培養技術の進歩により,タバコでは容易に半数体を得ることができるようになり,半数体育種法が実用化されつつある。 しかしながら半数体から倍加して作成した2倍体(半数体倍加系統)は弱勢化する場合があると言われている(KAD0TANI and KUBO 1969,NAKATA 1971.1972,BURK et al.1972)。この弱勢化あるいはその他の遺伝的変異が,どの程度一般的に起こるのかを知るために,本実験を行なった。まず,ハーレー種タバコの3品種,Burley 21,Ky 1O,Harrow Velvetの各1個体を自殖して正常2倍体系統を作成するとともに,同一親個体の蒲を培養して半数体を育成し,根組織培養により倍加系統を作成した。 2年間にわたりこれらの半数体倍加系統と正常2倍体系統を比較したところ,供試した9系統中DH-1,DH-4,DH-7の3系統は明らかに正常2倍体系統よりも生育が不良で収量も低かったが,正常2倍体系統よりも多収の系統は見出されなかった。全葉数は一般に遺伝力の高い形質であるが,DH-6では約4枚増加していた。これらの結果はかなり高い頻度で半数体倍加系統問に遺伝的変異が生ずることを示唆している。同一半数体より作成した倍加系統間には差異が認められなかったので,ここでみられた半数体倍加系統間の変異は半数体育成中に生じた突然変異によるものであろうと推察される。
- 日本育種学会の論文
- 1974-10-31
著者
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