近交系間交配マウスの乳腺発育反応及び体重における雑種強勢と変異
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概要
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合成発情物質に対する乳腺発育反応及びF_1の変異性について,4近交系マウス間で交配実験を行った。bc,C系(何れも兄妹交配25代以上)及び乳腺発育反応について選抜の行なれたKA,KBマウスを用い,すべての組合せの交配を行った。試験マウスに20日令より2日置きに5回総量12.5 I.U.の合成発情物質を皮下注射し,35日令屠殺し,乳腺面積を測定した。体重は初生日,12日,20日,35日に測定した。雑種強勢の評価は potence ratio (F_1-Pm/|p-Pm|)で行い,両形質共かなりのヘテローシスが認められたが,体重においては12日令が最小,潮次増加の傾向が見られた。入選発育反応ではは potence ratioは非選抜×非選抜が最大で,選抜×選抜が最小であったが,乳腺発育反応そのものでは逆に選抜×選抜が最大で非選抜×非選抜が最大であった。母体効果は体重において35日令のみ5%で有意であったが,全分数に対する割合は初生日が最大で潮次減少する傾向が見られた。乳腺発育反応では♀は5%で有意であったが,♂は有意でなかった。F_1の変異係数は両形質共近交系より小であった。乳腺発育反応においては,F_1のうち選抜×選抜が最小で,非選抜×選抜,非選抜×非選抜の順で大きくなっていた。
- 日本育種学会の論文
- 1960-12-25