日本稲と外国稲との交雑による育種の基礎的研究 : II. 花青素着色形質の異常分離から帰納される供試日本及びインド品種間の染色体構造差異

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前報に引続いて,インド稲Surjamkhiと日本稲農林1号の雑種でみられる〓先花青素着色に関する異常分離現状を報告し,両者間に少なくとも花青素発現に関する基礎遺伝子の一つであるC遺伝子の座の位置に差異のあることを結論した。すなわちF_2に出現する期待外の〓先無色個体に由来汁F_3個体に,遺伝子型既知の分析品種を交雑してそのF_2〓先色の分離型を検討した。二つの競い電子,CおよびSp,の座が転座または包含逆位により位置を異にするとする仮設の下にF_2の理論的分離比を計算しこれと実際の分離比の適合度の検定を行つた結果,供試F_3無色個体中に日本稲のC座のみをもつもの,インド稲のC座のみをもつもの,および両座を重複してもつものの3種の存在が確かめられ,少なくともC座に関しては供試日本およびインド品種間に位置の差異が証明された。ただし転座と包含逆位(C座の場合は組換価56%)にもとづく理論比が近似するため,位置のずれをいずれの原因に帰着すべきかの決定は不可能であつた。Sp座についても理論的には重複個体の存在を確かめ得たが,包含逆位によるSp座の位置のずれを結論するには,93%という異常な組換価を許可せねばならぬ為,その決定的な結論は将来の宿題とされた。
日本育種学会の論文
1960-03-20

日本稲と外国稲との交雑による育種の基礎的研究 : II. 花青素着色形質の異常分離から帰納される供試日本及びインド品種間の染色体構造差異

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