イネ胚のカタラーゼ活性とその低温発芽性との関係
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
イネの低温発芽性は品種によって大きく異なるが(Fig.1),その生化学的原因は未解明である.著者は,近年注目されている活性酵素の除去系酵素のうちカタラーゼについて低温発芽性との関係を調べた. イネ種子胚のカタラーゼ比活性は浸水後発芽にともなって上昇したが(Fig.2),その程度は低温発芽性の高い品種で高いことが明らかとなった.さらに興味深いことに浸水前の種子(保存状態の籾)の胚にもカタラーゼ活性が検出され,しかもその値(初期値)は品種によって異なった.そこで,21品種についてカタラーゼの初期値を調べそれと各品種の低温発芽性との関係を調べたところ,低温発芽性の高い品種はカタラーゼの初期値も高いと言う関係が見いだされた(Fig.3).ちなみに,カタラーゼと関係の深いスーパーオキシドディスムターゼ(スーパーオキシドをカタラーゼの基質である過酸化水素に変換)の初期値との関係も調べたがこの酵素と低温発芽性との相関は認められなかった
- 日本育種学会の論文
著者
関連論文
- 高温誘導性APX遺伝子によるイネ幼苗の低温枯死耐性の強化
- イネの低分子ヒートショックタンパク質の蓄積と温度ストレス耐性との関係
- イネにおける過酸化水素水中での発芽能を指標とした低温発芽性検定の可能性
- 遺伝子組換えによる耐冷性育種 (特集 バイテク研究の現在・未来)
- (198) ジャガイモ葉巻ウイルス外被タンパク質遺伝子を導入したトランスジェニックジャガイモの作出 (日本植物病理学会大会)
- イネ幼苗における低分子ヒートショックタンパク質と低温耐性との関係
- バイオテクノロジーによる作物育種
- イネ発芽期における活性酸素除去系酵素への低温の影響
- カタラーゼ阻害剤アミノトリアゾール処理によるイネ幼苗のアルビノ現象
- ネーミングの影響
- 活性酸素を切り口としたイネの耐冷性研究
- イネ胚のカタラーゼ活性とその低温発芽性との関係
- Streptomyces griseus NRRL B-2682の"時計仕掛け"の液内胞子形成 (放線菌の形態分化と代謝分化)
- Streptomyces griseus NRRL B-2682の“時計仕掛け”の液内胞子形成