瀬戸内海西部とその周辺地域における海陸風の性状
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概要
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瀬戸内海西部とその周辺地域における海陸風の性状がAMeDASの風資料から明らかにされた。解析領域は九州、中部西部、および四国西端の領域で、太平洋、東シナ海、および日本海で囲まれ、大小の内海を持つ。解析領域の中央部の沿岸地域において海陸風が見られた日を解析領域における海陸風日とした。この沿岸地域における海風過程の中での予期しない風の生起やその近くのより小さな水域の沿岸における海風の有無も考慮して、海陸風の型分類が行なわれ、8つの型に分類された。これら二つの沿岸地域で共に海風が見られる型においては、中国地域の日本海沿岸の北東側半分と瀬戸内海の東端を除いた全領域で海風が発達する。中国、九州とも午後には周辺海域からの海風がそれらの中央域で合流しているのが見られる。その他の海陸風型は、それらを特徴付ける局面につき上述の基本型と比較して議論された。四国北西岸において顕著な陸風が見られる地点が、よく知られた肘川あらしと関連づけて指摘された。以前得られた大阪湾とその周辺地域における海陸風の生起と一般的気象条件との間の関係は本研究の領域においても妥当であることが示された。本研究で得られた海風の模様と大阪湾とその周辺地域の海風の模様とを接続することにより、西日本全域についての海風最盛期の典型的な模様が明らかにされた。また、これら二つの地域の海陸風の振舞いの相互関係についても議論がなされた。
- 1998-06-25
著者
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