大阪湾地域とその周辺における海陸風の性状
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概要
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大阪湾地域とその周辺における海陸風の性状がAMeDASの風資料から明らかにされた。この地域は太平洋、紀伊水道、大阪湾、瀬戸内海及び日本海に面した複雑な海岸線と平野、丘陵地帯及び山地からなる複雑な地形条件にある。この地域に見られる海陸風が解析領域内の幾つかの観測所における海風の振舞いに従って5つの型に分類された。その内最も頻繁に起こる型は次のように特徴付けられた。大阪湾南部沿岸では大阪湾からの海風が時間と共に紀伊水道からの海風に変わり、瀬戸内沿岸では東風成分が卓越した海風が見られる。この型について興味ある様相が更に幾つか明らかにされた。(1)瀬戸内海北沿岸地域における海風と中国東部山地の南斜面地域における谷風または斜面上昇風がほほ同時に起こっていること、(2)瀬戸内海からの海風(南風)と日本海からの海風(北風)が中国東部山地の尾根の付近で合流しているのが見られること、(3)淡路島において、周囲の海域から島内部へ吹き込む海風から時間と共に全島を覆う南からの海風へ変わって行くのが見られること、(4)紀伊水道及び大阪湾の沿岸地域で午後遅くまで南からの海風が継続すること、などである。他の4つの型については海風の最盛期の様相が上記の型と比較して検討された。また、海陸風の生起と一般的気象条件との関係についても考察がなされた。
- 1995-12-25
著者
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