対流圏の熱帯を横切る流跡について
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概要
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対流圏の大気の軌跡を北半球と南半球の交換に着目して統計的に解析した。1989年1月と7月のヨーロッパ中期予報センターの1日2回の解析データを用いた。30日間の軌跡の緯度の統計から、部分的障壁が両半球の間に見いだされた。1月には南緯15度と南緯5度、7月には北緯10度と北緯30度付近に見いだされた。軌跡の緯度に条件を設定して、両半球を移動した軌跡を選択した。選択された軌跡を調べると、対流圏上層のみを通過するもの、下層のみを通過するもの、下層を通って熱帯に入り熱帯収束帯で上昇した後反対半球へ侵入するものの3通りに分類できた。夏半球から冬半球へ向かうものは上層のみを通過するものと途中で上昇するもので構成され、冬半球から夏半球へ行くものは上層のみを通過するものと下層のみを通過するもので構成された。個々の軌跡は計算方法に敏感であるが、その集合としての経路は敏感ではなかった。風速を定常と仮定した場合と、月平均の風速を用いた場合についても計算し、1日2回の風速を使用した場合と比較して主な経路の特徴を検討した。
- 社団法人日本気象学会の論文
- 1994-08-25
著者
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