多重解像度フーリエ解析と北極アラートにおけるCO_2濃度変動の解析への適用
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概要
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大気中のCO_2濃度の短周期変動を解釈するために、ウェーブレット理論を基にした多重解像度フーリエ解析 (MFT) が利用できることを提案した。まず、幾つかの異なった合成信号を用いて検討した結果、時間と周波数において局在性を示す変動の解析にとって本解析は有用であると考えられた。次に、MFTは1988年から1995年の間にアラートで観測されたCO_2濃度の変動を調べるために適用された。その結果、20-50日と6-14日の準周期的変動が顕著であり、これらの変動の振幅と周波数は季節変化によって強く変調され、また季節変化の最大振幅は冬期にみられることが見いだされた。さらに、これらの短周期変動 (特に後者の変動) が明瞭な年々変動を示すことも明らかとなった。
- 社団法人日本気象学会の論文
- 1997-06-25
著者
-
HIGUCHI Kaz
Meteorological Service of Canada
-
Higuchi Kaz
Carbon Cycle Research Laboratory Atmospheric Environment Service Downsview
-
Huang Jian-ping
Carbon Cycle Research Laboratory Atmospheric Environment Service Downsview
-
Trivett Neil
Carbon Cycle Research Laboratory, Atmospheric Environment Service Downsview
-
Trivett Neil
Carbon Cycle Research Laboratory Atmospheric Environment Service Downsview
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