Parent大規模低気圧と上層寒冷渦の影響下日本海北東部で発達したmeso-α-scal lop
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概要
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1986年1月13-14日、日本海北東部で発達したmeso-α-scale lowとそれに伴う強い降雪を解析した。冬期アジア大陸東岸では強い気温傾度が大陸海洋間で維持されている。北海道東岸で発達した大規模低気圧の北西象限の大陸からの北西寒気流と低気圧前面あるいはセクリウド(seclude)された暖気流との間に、シアーまたは合流(confluence)がみられ、水平的differential advectionにより、下層に局地的frontogenesisが生ずる。このfrontogenesisゾーン内、かつ上層寒冷渦直下でmeso-α-scale lowが発生する。Meso-α-scale lowの前面の湿潤域と雲域(上昇流と凝結を示す)は前述した暖気移流域にあり、後面の乾燥域(下昇流を示す)は寒気移流域にあり、meso-α-scale lowの傾圧的発達過程を示唆する。このような大陸東岸の"parent大規模低気圧"近傍でのmeao-α-scale lowの発達過程は日本海北東部におけるmeso-α-scale lowの重要な特徴である。このmeso-α-scale lowは海上で最盛期に達し、明瞭な"眼"と暖気核が認められた。この後、meso-α-scale lowはparent大規模低気圧にとり残され、冷たい北海道陸上を通過中おとろえ、暖気核は消失した。一方parent大規模低気圧に伴うsecluded warm air flowの先端はmeso-α-scale lowの中心西側に流入し"meso-α-scale secluded warm flow"の特微を示す。Meso-α-scale lowの通過によってひきおこされた北海道内陸から流出する寒気流は前記のmeso-α-scale secluded warm flowと合流収束しmeso-α-scale lowの近傍で強い降雪ゾーンを形成した。このように多種類のスケールの現象が関与する一連の過程として、meso-α-scale lowの発達とそれに伴う降雪の発現が理解された。
- 1993-02-25
著者
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