赤道域クラウドクラスターへのビデオゾンデ観測
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概要
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西太平洋における大気・海洋結合系国際観測プロジェクト(TOGA-COARE)の一環として西太平洋赤道域マヌス島(2°S,147゜E)で21個のビデオゾンデを飛揚、降水機構の研究を行った。観測は1991年11月24日〜12月5日と1992年11月20日〜12月9日の2回にわたり行われた。観測期間中多くの異なった雲システムが発達、それらの出現は水蒸気の高度分布に著しく依存し、台風による水平風の変動が水蒸気分布に大きな影響を与えていることが示唆された。降水系には2種あり、強い降雨をもたらすレインバンドでは"温かい雨"型で雨の形成が行われ、厚い層状の雲では小さい霰の形成が活発に行われていた。0℃層で霰の雪片が初めて観測された。降雪粒子分布がカナトコ雲や台風の層状雲内でのものと著しく異なることから、観測された厚い層雲はレインバンドからの延びた雲ではなく0℃層以上での一様な大気の上昇で形成されたのかも知れない。他の熱帯域と比較して氷晶濃度が赤道で極端に少なかった。
- 社団法人日本気象学会の論文
- 1995-06-15
著者
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