昭和 63 年度におけるヘリコプターによる水稲の湛水土壌中直播栽培の成果と問題点
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概要
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岐阜県海津町の2ha区画の大規模汎用化水田4.13haにおいて, 播種・除草剤散布及び穂肥施用の3回の作業と病虫害防除を中心にヘリコプターによる水稲の湛水土壌中直播栽培を実施した.ヘリコプターは中日本航空所属のベル47型機.散布装置はTDA-1型機を使用し, 飛行高度10〜12m, 飛行間隔15m, 飛行速度25MPHで実施し, 以下の成果を得た.1)ヘリコプターによる1時間当たりの作業能率は, 播種が5.9ha, 除草剤散布が7.1ha, 穂肥施用が7.3haであった.2)ha当たり所要労働時間は90.1時間で, 海津町における先導稲作モデル団地の移植栽培の138.6時間に比べ35%の省力となった.3)播種・除草剤散布及び穂肥施用とも, 目標値に対して許容できる量を散布することができ, その精度も通常の地上散布に比べて遜色なく, 実用上問題が無かった.4)苗立率は圃場内のいずれの部分も40%以下と低かったが, この試験では分げつによる穂数確保が十分なされ, 収量への影響は認められなかった.5)前作物別に圃場の地力窒素発現量を湛水培養法により推定し, それに基づいて基肥の窒素施用量を決定したが, その量はおおむね妥当で, 若干の成育ムラはあったものの, 十分な成育量が確保され, 前作のいかんを問わず500kg/10a以上の収量を得ることができた.6)プッシュ粒剤17の1回散布では, 初期発生の雑草には有効であったが, 中〜後期発生のノビエ・クサネム等は抑え切ることができなかった.7)移植をヘリコプターによる直播に変えることにより, 51, 636円/haのコスト低減となった.しかしながら, 除草剤及び穂肥の散布については, それぞれ2, 378円, 9, 290円のコスト増加となった.
- 1989-12-20
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