オーストラリアの医学生の針刺事故
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概要
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我々はオーストラリアにおける医学生の針刺事故(NSI)の現状についてある医学校の4学年を対象に調査を行った.調査は匿名の自己報告によって行い, 254名の解答(回収率97.3%)が得られた.その内35名の学生(13.8%)が事故を報告し, 総計41回のNSI事故があった.性別では, NSIを報告した71.4%が女子学生で, 28.6%が男子学生であった.NAIの頻度は学年間で優位(P=0.0106)な変化が認められ, 1年生では7.3%に対し, 3年生では26.8%であった.41回のNSIの内, 29.2%はガラス器具, 24.4%は注射針, 22.0%が手術器具, 24.4%がそれ以外の用具によるものであった.原因器具の割合も学年により変化が見られた.全体として, この研究はNSIがオーストラリアにおける医学教育上, 重要な問題である事を示している.そして, NSIを少なくする為の方策が, 世界中の医学教育に重要な問題として残されている.将来NSIを予防する為に, オーストラリアおよび他の国々の医学生のおかれている立場も考慮しなければならない.
- 産業医科大学学会の論文
- 2005-09-01