イネ品種の湛水下における発芽・苗立性

概要

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湛水直播栽培では, 深水下における発芽・苗立性が耐ころび型倒伏性とともに問題になるため, これに関与する形質を明らかにするとともに, 優良特性をもった母本の探索を行った.その結果は下記のとおりである.1.異なる水深下における供試品種の苗の伸長性は水深10cmまでは鞘葉, 第1〜3葉に大差がなかったが, 15cm区になると品種間に明らかな差異があらわれた.深水下での伸長性は, 日本稲より外国稲に優れるものが多かった.2.湛水したほ場条件下において, 発芽・苗立性に関与する形質を調査した結果, これらには発芽率, 浮苗率, ころび苗率, 生育不良苗率, 生育良好苗率, 乾物重, 葉長, 葉令, 苗の太さ等が関与しているとみられた.外国稲の中には発芽率, 乾物重, 葉長及び葉令について日本稲より勝る形質をもった品種があった.3.発芽・苗立性に関与する形質の相互関係を明らかにした.そして成苗率は発芽率並びに生育良好苗率と相関が高く, 乾物重は千粒重並びに葉令, 葉長とやや高い相関がみられた.
日本作物学会の論文
1978-03-31