水稲品種の晩植適性に関する研究 : 出穂性および収量性からみた晩植適応性品種の選定
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概要
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暖地の水稲晩植適応性品種が具備すべき特性の内,出穂性および収量関連形質について検討した結果,(1)出穂安全限界期間(異常低温)に出穂した品種は,晩植Iで第1表玄米重と各形質との相関係数は早生・中生品種,晩植IIでは早生品種であった。(2)晩植Iの収量は普通期植に比べてやや減少したが,晩植IIでは頴化数と登熟歩合の低下により著しく減少した。とくに減収した品種は,晩植IIの極早生品種と晩植I,IIの外国稲品種であった。(3)各品種の晩植I,IIの収量と登熟歩合との間には相関が高く,また登熟歩合と登熟40日間の平均気温と相関が高く,さらに倒伏程度との問にもやや相関がみられた。以上から,晩植適品種は登熟性の高いことが重要であり,登熟性の高い品種は出穂が早く,倒伏抵抗性が大きい品種である。さらに晩植IIでは頴化数が少ないので,頴化数の多い品種が望まれる。
- 日本作物学会の論文
- 1981-12-10
著者
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