小麦砂栽培の世代促進への利用
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概要
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この研究では,温室内で小麦の世代促進を行なう場合に,砂栽培における栽培基準を明らかにすること,砂栽培と土栽培との優劣を比較すること,特に夏季栽培における砂栽培の有用性を検討することのために,温室内で4つの実験を行なっれその結果は次のとおりである。1)砂栽培では,粒径2.0mm以下の川砂を4cmの厚さにしたは種床で差しつかえない。栽植密度は一般的には4cm×2cmでよく,単に単位面積当たりの生存個体数さえ多ければよいというようなときには,2.5cm×2cmでもよい。施肥量(kg/a)はN:0.336,P:0,168,K:0.269かまたはその半量とし,は種直後と第3葉期に1/2あて施用する。肥料は液肥をかん水とかねて水とともに施す。2)砂栽培は土栽培よりも明らかにまさっている。すなわち,(1)生存個体率が高い。(2)生育がよく,かん長は長くて個体間のふれが小さい。(3)肥料を自由に調節しうるので,早生になしうる。(4)病害の発生が少ない。(5)かん水回数が%ですみ,かつ雑草が発生しない。3)土栽培では生存個体率が著しく低い夏季栽培についても,6月21目まきのような特別な場合を除き,砂栽培によって概してうまくゆくようである。
- 1973-04-25
著者
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鶴 政夫
九州農業試験場小麦育種研究室
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吉田 美夫
九州農業試験場小麦育種研究室
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北原 操一
九州農業試験場小麦育種研究室
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吉田 美夫
九州農業試験場
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鶴 政夫
九州農業試験場
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北原 操一
九州農業試験場
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