統計調査からみたわが国水稲作の地域性について : 第2報 栽植株数の地域性
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概要
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作況調査成績から類別した地域区分をもとに,栽植株数を中心にして検討を行なった。結果の概要は,つぎの通りである。(1)寒地型の方がおおむね密植である。しかし,最近は寒地型の増加が停滞気味であるうえ,暖地型が品種,栽培法の改善などにより,株数増をみている。そこで,地域差は以前ほどはっきりしにくい。(2)栽植株数と穂数との関係をみると,寒地型が明らかに多く,分けつ期間の冷涼な天候が,穂数確保に役立っている。(3)栽植株数と収量についてみると,寒地型では株数増が多収にむすびついている。しかし,暖地型ではこの関係ははっきりしない。これは,暖地型が登熟面に強くえいきょうされているためであろう。(4)北九州の佐賀,福岡両県は,暖地型から寒地型に入りこんで,著しい収量増をみ亡いる。これは,地力と短稈,穂数型品種の密植多肥栽培が急増したことなどが原因とみられる。
- 日本作物学会の論文
- 1966-06-20
著者
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