潤土直播の現状と展望(水稲の直播及び乳苗移植を中心とした低コスト栽培技術の展開方向)

概要

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本栽培法は, 乗用トラクタによりワンマンオペレーションで能率的な播種作業が可能であり, さらに雨天時においても播種作業が可能である.また, 代かき後落水状態で播種し, 出芽・苗立まで湛水しないため, 酸素発生剤を使用しないで良好な出芽を得ることが可能で, 湛水直播で問題となる浮き苗やたこ足苗の問題も少ない.高密度播種による過繁茂抑制のためには, 深水管理法や追肥重点型の施肥法が効果的であるとともに, その生育の特徴から, 直播栽培における良質米生産の可能性が認められた.しかし, 以上の結果は北陸地域の気象条件と透水性が低く肥沃な低湿重粘土水田で, 耐倒伏性の高い品種であるキヌヒカリを使用して得られたものであり, その適用にあたっては, 該当地域の気象・土壌条件を考慮する必要ある.また, 今後実用化するためには, 湛水時の鴨害と落水による雀や鳩の食害との兼ね合いや, 無粉衣催芽種子の損傷の無い広幅定量播種技術, 湛水条件下における軟弱地盤での車両走行系や栽培管理作業技術の開発など様々な解決すべき課題がある.
1992-03-31