VII 北陸地域における大豆の生育及び被害の実態(<特集>北陸地域における昭和 55 年異常気象による水稲及び大豆被害の実態と解析)
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概要
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1. 55年夏季の気象は6月下旬以降, かなりの低温と寡照状態が長く2カ月以上にわたり継続し, 不良天候の継続日数は最大級であって, 北陸地域内では, 北部に位置する新潟県がより恵まれ, 南西進するにつれ多雨・寡照の度合が顕著で, 石川県は特に目立った。2.北陸の大豆は55年には8, 565ha栽培され, この内転換畑大豆は63%である。3. 55年の大豆作の作況指数は「101」で平年並かやや良の作柄であり, 作況指数の上からは, 石川県を除いて, 異常気象の影響は直接見られなかった。4.北陸地域内の各農試における大豆の生育・収量は, 新潟県中北部平坦地の農試においては, 登熟期の初期(8月第2・3半旬)の日照が比較的多かったので着莢数・粒重も多かったが, 北陸中・南西部の農試と高標高地の農試においては, 大豆が徒長し, 登熟日数, 着莢数共に減少して減収となり, 異常気象の影響を強く受けた。5.作況指数がやや良に対し, 各地農試の成績はが不良となった理由は, 適切な肥培管理による高収量水準の場合は, 異常気象の影響を強く受け, 一般農家の大豆作においては, 気象条件以外の各種耕種的阻害要因の影響が強いために収量水準が低く, この阻害要因に対する各県の技術対策が作況指数に大きく反映したものとみられる。
- 日本作物学会の論文
- 1981-08-16
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