土壌溶液の塩基類バランスによる集積塩基類供給能診断方法の開発
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概要
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塩類集積土壌における集積塩基類の供給能診断方法を開発するため実験を行った.実験は,塩類集積レベルの異なる2種類の土壌を用いて,Ca, Mg, Kおよび三塩基を欠乏させた区を各4ポットずつ設けた.コマツナ栽培は,5回連続して行った.コマツナの生育と土壌溶液中の塩基類濃度および土壌の交換性塩基含有量の推移を観察し以下の結果を得た.供試土壌は,交換性CaとMgの含有量が多く,K含有量は比較的少なかった.そのため,乾物重に対するKの施用効果が高くなった.土壌の交換性K含有量およびMg/K比は,K欠乏が見られた時点の1層と2層土壌での値とを比較した.1層土壌の値の方が交換性K含有量で高く,Mg/K比で低くなっていた.両土壌での値が異なることから,これらを指標としてK供給能の診断は難しかった.播種時の土壌溶液中Mg^<2+>/K^+比とCa^<2+>/Mg^<2+>比は供給能診断の指標として有効と考えられた.正常な生育を示すプロットは,土壌溶液のCa^<2+>/Mg^<2+>が1.7〜2.5でMg^<2+>/K^+比が30〜200の範囲に集中していた.塩基類の供給能は,土壌溶液の塩基バランスが,この範囲にあれば問題ないため,資材施用を中止することができると考えられた.以上のことから,土壌溶液の塩基バランスは,塩基類の供給能診断の指標として,充分に現場での指導に用いることができる.
- 2004-02-05
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