ロックウール培地におけるシュガービートの生育におよぼす窒素の形態・濃度および施肥時期の影響
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概要
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本報告ではロックウール培地におけるシュガービートの育苗に適した施肥管理を確立することを目的として,とくに窒素成分中の硝酸態窒素とアンモニア態窒素の比および培養液濃度がシュガービートの生育におよぼす影響を検討した.1)シュガービートの生育は,急速に増加しはじめる時期がペーパーポットに比べロックウール培地は10日ほど遅れたが,生育速度は同程度であった.その結果40日目の生育は地上部新鮮重,乾物重はロックウール培地が劣った.本葉数は本葉の出葉がペーパーポットが早かったために,前半はロックウール培地は劣ったが,後半は追いついた.本葉長,子葉長は同程度で推移した.2)硝酸態窒素とアンモニア態窒素の比は1:1が適していた.とくにアンモニア態窒素比が高い場合,乾物重より新鮮重の増加が抑制され,乾物率が増加した.3)播種後10日目以降,徐々に培養液の濃度を高めることで,乾物重の増加を促進させ,乾物率を高めることが可能となった.4)播種時灌水に硝酸ナトリウム,以後の灌水には窒素,リン酸,カリウムの比が1:1:1で,窒素成分の硝酸態窒素とアンモニア態窒素が1:1の液体肥料を用いた.播種後10日目には全窒素濃度で0.8gL^<-1>,20・30日目には全窒素濃度で1.6gL^<-1>と育苗後半に濃度を高めて灌水して育苗した.その結果,慣行法のペーパーポットで育苗した苗と同等の良苗を得ることが可能となった.
- 1994-02-05
著者
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逸見 俊五
新日鐵化学(株)システム栽培技術センター
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木田 淳
新日鐵化学(株)システム栽培技術センター
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本多 文彦
北海道糖業(株)技術開発部
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菅原 寿一
北海道糖業(株)札幌支社農務部
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木田 淳
新日鐵化学(株)システム栽培技術センター:(現)同無機ファイバー技術センター