ロックウール培地におけるシュガービートの出芽におよぼす温度,水分,塩類濃度の影響
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概要
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ロックウール培地と従来の慣行によるペーパーポットの,シュガービートの出芽について検討した.1)ペーパーポットに比べロックウール培地では出芽開始,半数出芽日が遅れ出芽率が劣る傾向が認められた.2)ロックウール培地はペーパーポットに比べ,温度変化の影響を受けやすく,かつ培地内上部から下部への水分移動が激しいことが認められた.3)有効積算温度の遅れは,発芽の遅延,半数発芽日の遅れにつながることが確認され,ロックウール培地においても半数出芽日の遅れの原因となっていることが認められた.またロックウール培地におけるビート出芽の最適含水率は0.60m^3m^<-3>前後であり,ロックウール培地上部含水率はそれよりかなり低いことから,これも半数出芽日の遅れの一原因となっていることが認められた.4)ロックウール培地上部にベントナイトを含浸することで,培地上部の保水性を向上することができ,その培地によってビートの出芽を改善することができた.含浸濃度は灌水間隔が10日で約0.1gピース^<-1>(1ピースは縦×横×高さ=17×17×130mm)が最も適していた.5)肥培管理がビートの出芽におよぼす影響は,肥料成分にかかわらず,灌水直後の種子周辺の水分のECが600dSm^<-1>以下であるとき最も出芽は良好で,それ以上高くなると,出芽が抑制されることが認められた.6)培地上部にベントナイトを0.1gピース^<-1>含浸したロックウール培地とペーパーポットを用いてビートの出芽を比較したところ,15日目の出芽率は差がなく,半数出芽日が約0.5日遅れただけであった.この差は有効積算温度の検討で解明した培地温度の差による出芽の差と同じであった.
- 1993-08-05
著者
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逸見 俊五
新日鐵化学(株)システム栽培技術センター
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木田 淳
新日鐵化学(株)システム栽培技術センター
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本多 文彦
北海道糖業(株)技術開発部
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菅原 寿一
北海道糖業(株)札幌支社農務部
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木田 淳
新日鐵化学(株)システム栽培技術センター:(現)同無機ファイバー技術センター