用水および土壌条件が水田の窒素収支に及ぼす影響 : ライシメーターによる多因子実験結果
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究では、灌漑水窒素・リン濃度、土壌の前歴の4因子が窒素収支に与える影響を、要因分析を用いて検討した。 (1) 表面排出量の点から見ると、灌漑期は要因効果のほぼ等しい4期に分けられ、それぞれ以下の要因が支配的である。I期では窒素濃度と水量、II期では窒素濃度、 III期では水量、窒素濃度、土壌、IV期では水量、非灌漑期には要因の効果は見られなかった。(2) 浄化量について同じく4期に分けると,それぞれ以下の要因が支配的であった。I期では窒素濃度, II期では窒素濃度, III期では水量,窒素濃度,土壌, IV期では,窒素濃度,水量であった。(3) 増収と差し引き量増加の水田条件は一致するが,排出量減少の条件とは一致しないことが多い。 (4) 排出量減少と差し引き量増加の水田条件は多く矛盾し,両者を満足させることは困難である。 (5) 期別に要因効果が変化する原因の解明には,水田表面水窒素の変化機構の解明が今後の課題である。
- 社団法人日本土壌肥料学会の論文
- 1989-04-05
著者
関連論文
- 60 地表面土壌流出量に及ぼす植被の影響 : 裸地土壌の地表面土壌流出について(関東支部講演会要旨)
- 11-24 降雨による無機態窒素の負荷 : 茨城県谷田部町における1983〜1985年の結果(11.環境保全)
- 11 ESRスペクトル法による植物根中のCr(III)およびCr(Vl)の形態(関東支部講演会要旨)
- 3.Cr(III)およびCr(VI)の植物細胞内分布(関東支部講演会講演要旨)
- 11-24 重金属集積土壌に対する酸性雨の影響 : 1.カラム実験(11.環境保全)
- 60 下冰汚泥の土壌施用が土壌環境に及ぼす影響(第19報) : 下水汚泥施用砂質土の浸透水中硝酸態窒素の経時変化(関東支部講演会講演要旨)
- 11-30 下水汚泥の土壌施用が土壌環境に及ぼす影響(第25報) : 下水汚泥連用土壌からの硝酸態窒素の溶脱(11.環境保全)
- 81 下水汚泥の土壌施用が土壌環境に及ぼす影響(第9報) : 連用と植物の生育(関東支部講演会講演要旨)
- 77 下水汚泥の土壌施用が土壌環境に及ぼす影響(第5報) : 植物体成分の変化(関東支部講演会講演要旨)
- 用水および土壌条件が水田のCOD排出量に及ぼす影響 : ライシメーターによる多因子実験結果
- 用水および土壌条件が水田のリン収支に及ぼす影響 : ライシメーターによる多因子実験結果
- 41 筑波地域の降水とその成分(関東支部講演会要旨)
- 11-11 下水汚泥の施用が土壌環境に及ぼす影響(第35報) : 連用土壌におけるMn,Zn,Cuの形態および層位別分布(11.環境保全)
- 11-22 下水汚泥の施用が土壌環境に及ぼす影響(第21報) : 下水汚泥中のZn, Mn, Cuの形態と植物による吸収(11.環境保全)
- 用水および土壌条件が水田の窒素収支に及ぼす影響 : ライシメーターによる多因子実験結果
- 奥日光地域における蘚苔類の生長と遷移に関する研究I : 気象環境と植生(一般講演,第18回大会講演要旨)